神の食べ物;柿・奈良五條(2)
(2)結晶片岩製石包丁;弥生遺跡:唐古・鍵遺跡の石器
( 唐古・鍵考古学ミュージアム)
1)干し柿と種
日本に柿が伝播したのは、古墳時代と言われています。(奈良五條・柿博物館)私はいろいろな理由から、弥生時代だと考えています。日本も含め色々な ところでの起源説が在りますが、少なくても「神の食べ物」としての柿は弥生時代からだと考えます。今年の一月に唐古・鍵遺跡、唐古・鍵考古学ミュージアム を訪れて、弥生時代に関して色々な発見がありました。唐古・鍵遺跡で発掘された「石包丁」は弥生前期には縄文時代から引き続く流紋岩製「半月型外磨刃」で した。明らかに地中海文化圏と良諸文化に由来する形です。(「羽子板・扇が導いたこと・15参照)そ れが中期に結晶片岩製「半月型直線刃」に変わります。中国からの水稲作の伝播を示します。但しこの石刃は地中海文化圏と良諸文化に由来せず、西アジアから 中国内陸部を伝播してきた形です。「唐古・鍵考古学ミュージアム」では非常に貴重な、この後の時代を象徴する「石包丁」が見られます。「半月型直線刃」を 加工して「円形石包丁」にした展示物です。それと同時に「土製片円盤」と呼ばれている土器片を丸く磨き刃を付けたい「円形土製包丁」です。焼成の進んだ文 化の到来は、手間のかかる石でなくても、「稲穂用包丁」として土器が使えるようになったのでしょう。
(3)「半月型直線刃」を加工した「円形石包丁」;( 唐古・鍵考古学ミュージアム)
(4)土製片円盤;弥生遺産展・唐古・鍵遺跡の石器(唐古・鍵考古学ミュージアム)
私は「柿」の伝播を「円形石包丁」、「円形土製包丁」と同時だと考えています。それは、再び地中海文化圏からインド、そして、長江を経由した、人と文化の流入です。
(5)分銅型土製品(レプリカ);唐古・鍵考古学ミュージアム
もちろん象徴的に「黄金餅型土器片偶」(羽子板・扇が導いたこと・12 参照)が伴います。