形而下の文化史

表象文化史・ジュエリー文化史・装飾文化史

 

トピックス(8)ズールーの概念と貝の文化(2)

 

                                                赤と渦巻

                        Nassarius gibboslus(ムシロガイ)のShell jewelry 

 

 

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(1)Taforait,Morocco(モロッコ)で出土した73,400~91,500年前のNassarius       gibbosulusのビーズ

 

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(2)Nassarius gibbosulus;Wikipedia

 

 「Science DailyのScience News 2006]によると,Algeria,Morocco,South Africa,Israelなどで、巻貝(sea snail・Nassarius gibbosulus)製ビーズの発見は110,000年前に遡るようです。(Wikipediaでは、Israelでの発見は10万年から13.5万年前だと書いています。)

「Nassarius gibbosulus」は東地中海(ギリシャ、レバノン、シリア、エジプト)を中心に生息している、口縁部が深いオレンジ色の巻貝です。110,000年前にレバント地方に進出した新人(ホモサピエンス・サピエンス)の「巻貝」が、遠くAlgeria,Morocco,South Africaで見つかっていることは、当時の人と物の移動を考える参考になります。

同じく「Nassarius Kraussianus」などの、北部地中海、スペイン北東部、ポルトガル中部で主に生息する、紫からピンク、深い赤味の巻貝は、代表的な一例としてモナコ近くのGURIMARUDEXI(グリマルディ)人骨(オーリニャック時代)が着けていました。このニグロ型の骨格をした人骨は貝ビーズの首飾りと腕輪がつけられオーカーが振りかけられていました。イベリア半島からの進出が考えられます。

 

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(3)GURIMARUDEXI(グリマルディ)人骨

  世界の歴史・文明の誕生 講談社

 

この様にNassrius貝殻のビーズはアフリカで進化した新人(ホモサピエンス・サピエンス)の出アフリカ経路を示しているようで興味深いものです。

 

もうひとつの「赤」、「Ochre(ここでは脱水酸化鉄を含む赤い黄土)・オーカー」は前期旧石器時代に原人(ホモ・エレクトス)によって既に使用されていたことが、南アフリカのワンダーワーク洞窟で証明されています。(石器時代文明の脅威・リチャード・ラジリー)ただ使用目的は特定できません。一般には、身を太陽や虫から守るような、実用の為ではないかと考えられているようです。埋葬例などは見つかっていないのです。

そして埋葬の時オーカーを振りかけることは、中期旧石器時代の、アフリカ、スワジランド(SUWAJIRANNDO)の「獅子の洞窟」で見つかっています。(石器時代文明の脅威・リチャード・ラジリー)

私の調べた限りでは、埋葬に「オーカー」そして「貝」が揃った最古の遺跡だと思います。アフリカ大陸に新人(ホモサピエンス・サピエンス)が登場したのが、約200,000年前ですから、ここまでの進化にも十分な時間が流れています。もっと古い遺跡も見つかる事でしょう。

 

 

 

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