イシュタルの手(3)
ミャオ族と「イシュタルの手と舟」(2)
(21)阿日寺、阿弥陀如来(奈良県香芝市);ソゾタケの仏像日記
(22)拡大(20)ミャオ族、銅鼓船文に刻まれたイシュタルの手と舟
図説日本人の原郷,第三章舟を浮かべ鼓をたたき租を祀る・萩原秀三郎
⑦ここで現れた表象は①~⑥で「雨の表象を持つ女神の頭部」以外は説明されています。「女神の雨の表象とヘアスタイル」については、「半分の太陽とヘアスタイル」で後日説明します。今回は、「手・雨」と「雨粒」そして「鳥」を組み合わせた、船尾に見られるイシュタルの表象に注目します。
写真(21)の阿弥陀如来が結んでいる「印」のルーツがここに現れているのです。この「印相」は「来迎印」と呼ばれています。臨終に際して、阿弥陀如来が西方極楽浄土から迎えに来る時の「印相」です。京都・三千院や牛久大仏などの阿弥陀如来もこの「印」を結んでいます。
イシュタルの一つの神格が「冥界の女神」であり、「 死者を冥界に導く舟」は、これまで見てきたように、イシュタルの表象で出来ています。
阿弥陀如来の「来迎印」は、阿弥陀如来がイシュタルの一つの神格を引きついた仏であることを物語っています。
人類の文化で一番古い、「雨による平衡の女神」と「ヴィーナス」が習合して生まれたイシュタルが「あらゆる神々の母」と呼ばれる理由がここにあります。イシュタルのそれぞれの神格が分岐したり、変容して、名前を変え、今の神々となっているのです。