形而下の文化史

表象文化史・ジュエリー文化史・装飾文化史

 

「羽子板、扇」が導いたこと(11)酉の市 ;氷川神社

 

 

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((1)Late Stone Age artefacts from the Armstrong Collection from Bambata,Zimbabwe

Catalogue of Stone Age Artefacts from  SouthernAfrica in The British Museum

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(2)後氷期初頭(BC!万年)の文化伝統

<ビジュアル版>世界の歴史「文明の誕生」講談社

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(3)洪積世ヴュルム氷期のヨーロッパ(BC5万年~BC1万年)

<ビジュアル版>世界の歴史「文明の誕生」講談社

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(4)展覧会「アフリカの骨・縄文の骨」・図録

東京大学総合研究博物館

[「羽子板、扇」が導いたこと(10)酉の市 ;氷川神社]で見たように、BC5万年~4万年頃東アフリカの「方形直線刃」、「半月形直線刃」、「三角断面直線刃」(写真・1)など「直線刃」の「石刃」はイラン、イラクをへて中国、黄河中流域に伝播して、北方に広がりました。一方アフリカ大陸ではBC3万年頃から石刃技法は「細石器」の時代に入ります。より細かく加工し、刃は丸みを帯びてきます。(写真・2)私はジュエリー技法で各種の彫を得意としていますが、この丸みは革命的なな進歩なのです。Flat Graver(直線刃)では金属の抵抗が強く前進出来ない時には、Oval Graverの刃先をさらにナイフの様に斜めにカットした、刃先にダブルの丸みを持たせたGraverを使用します。これで、かなり金属を軽く削ぎ落とせます。(写真・1)の中にも(「方形直線刃」上、左から5番目)その兆しは見えますが、その効果を理解して「石刃」の形を変化させていったBC4万年~3万年頃は、私達ホモ・サピエンス・サピエンスがアフリカの地に広がり始めた時と重なります。よって、「細石器」が早く進歩した地域が特定できれば、ホモ・サピエンス・サピエンスへの突然変異の場所を知る手掛かりになるかもしれません。写真(2)の色の濃い場所は「細石器」が早く進歩した地域になります。北アフリカ・ナイジェリアを中心とした地域は「カプサ文化」の中心地で「細石器」が早く進歩しています。この「細石器」で刈り取った穀物は「小麦」ではないでしょうか。「クスクス」はデュラム小麦から作られます。また東アフリカの「ケニア・カプサ文化」でも「細石器」の早い進歩が見られます。そして収穫した穀物は、モロコシやトウジンビエであったはずです「ウガリ」の材料です。「クスクス」、「ウガリ」は穀物を粉にして、お湯で混ぜ合わせた同じ様な食べ物です。そういえば、私の故郷・徳島県三好市は何かと特殊な 地で、子供の頃のおやつは、ソバ、むぎ、だいずなどを焼いて粉にしてお湯と混ぜ合わせたものでした。今でも一人でこっそりと作っています。アフリカ「カプサ文化」と同じ雑穀の食べ方です。
北アフリカ・ナイジェリアを中心とした「カプサ文化」はこの後、「地中海文化圏」を作っていきます。(写真・3)洪積世ヴュルム氷期のヨーロッパ(BC5万年~BC1万年)で確認されるように、当時ヨーロッパとアフリカは氷河で繋がっており、旧石器時代にはジブラルタル半島から、そして中石器はシチリア島から氷の溶けた新石器時代にはサルデーニャ島からイタリアへのルートを中心に、アフリカの人と文化は北へ広がっていきます。1991年にイタリア・オーストリア国境で約5,300年前の「アイスマン」が見つかりました。サルデーニャ島のDNAを持ちながら、肌は白に変異しており、毛皮の洋服と靴、手には順銅の斧、胃にはアイベックスのハーブ焼きとパン。彼の存在はこのルートを明確に証明します。(4)展覧会「アフリカの骨・縄文の骨・図録」はヨーロッパとアフリカの人類は同じ歩調で進化し、アジアの人類は、極端に言えば別ルートの進化をしたことの証明です。ヨーロッパとアフリカは陸続きでした。また、東アジアへアフリカで起こった「半月形外磨刃」などの新しい「細石器」が伝播しなかった原因は、BC12,900に起こった北アメリカ・五大湖を中心とした「隕石の衝突」による地球規模の混乱でしょう。西ヨーロッパは熱風に襲われ、レバント地方には隕石の破片が落ち、大地を焼き尽くしたそうです。(詳しくは「Meteorite 12900]で検索してください。)また「半月形外磨刃」がアフリカに現れ始めてからBC12,900までの間、「直線刃」の「石刃」を追いかけるような中国への伝播は起こっていません。つまり、「半月形外磨刃」の「細石器」が進歩した中心地は、最初の伝播が起こった東アフリカ以外が考えられます。小麦栽培が始まったとされる、レバント地方の「焼畑」に種をまいたのは誰でしょうか?
 新石器時代、「石刃」の刃が直線の東アジア、アーチ状のアフリカとヨーロッパ、西アジアは、こうして生まれました。次回は「石刃」が女神になります。

 

 

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