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形而下の文化史

表象文化史・ジュエリー文化史・装飾文化史

 

トピックス(4)岡崎市・瀧山寺「鬼まつり」

瀧山寺「鬼まつり」(3)

薬師如来と鬼塚

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(11)瀧山寺・本堂;左隅に薬師如来の石仏が見える

 

「鬼まつり」当日は、祭りの準備、撮影機材、屋台が立ち並び、左隅に「薬師如来」の石仏がわずかに見えていました。

 

 

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(12) 「鬼塚」と「薬師堂」・「薬師如来石像」;http://takisanji.net/oni.html 瀧山寺HP

 

最後に瀧山寺の一番大切な表象に触れることにします。瀧山寺の本質は意外なことに、「薬師堂」と「鬼塚」に集約されていました。本尊の「薬師如来像」は五十年に一度しか拝観できない「秘仏」なので、「薬師如来」、いやもっと端的に仏教成立以前の名で言えば「ヤクシー」の「五穀豊穣と多産の儀式」はこの場所で行われてきたのです。「鬼面」など後に作られた伝説はさて置き、この「鬼塚」で行はれる「儀式」が大切なのです。瀧山寺ウェヴサイトに次のような文章があります。{毎年の鬼祭りには五穀を炒ったものを塚の上に撒き「春秋の芽の生うる時出で来たれ」という。} 「鬼」は「大地の表象」なのですから「鬼塚」に五穀を撒くとは、大地に種を撒くことを象徴的に表します。「大地に五穀を撒き、芽の生うる時を祈る豊饒と多産の儀式」なのです。このように考えると「鬼を豆で追い払う儀式・追儺、節分」は、この古くからあった儀式を利用して、平安時代に逆説的な意味を持つ儀式に作り変えられた事が理解できます。    

 

 

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(13)鬼まつり・農耕儀礼

 

畑を耕し、種を撒く、延々と丁寧に続く農耕儀礼は少々退屈ですが、発見がありました。種をまく時の「掛け声」が「鬼は外!」と同じリズムなのです。「掛け声」も利用されたようですね。

 

 

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(14)薬師如来石像

 

薬師如来の文字が読み取れます。

 

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(15)薬師堂・鬼板

 

薬師堂の「鬼板」には「渦巻=蛇」に守られた八角の大地(ナツメヤシも表象する)、ハート形のシルフューム、六弁花の柘榴花、つまり、古代地中海世界のミノア文明{写真(20)参照}で現れた三つの「生命の樹」が見られます。古代インド・ガンジスの文化の「地母神・ヤクシー」に融合したもう一つの文化が解ります。そして、中央には「梅」です。これは、インドで仏教に取り入れられて「樹神、山神・ヤクシー」となった表象なので、後に日本で組み合わされたものでしょう。その証拠に「光琳梅」の意匠が使われています。インダス文明以前に現れた「地母神・ヤクシー」は植物だけでなく、「生殖表象」と「大地表象」が融合した「豊穣と多産の大地」の女神です。それにしても、「鬼板」が「豊穣と多産の大地」を表していて「鬼」=「大地」が正しく関係付けられています。美しい「鬼板」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

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