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形而下の文化史

表象文化史・ジュエリー文化史・装飾文化史

 

JEWELRY MAKING(1)

ジュエリー文化史 装飾文化史 表象文化史

 

 

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(1)Grand Bouquet ;スターサファイア、サファイア、ダイヤモンド、パライバトルマリン、オレンジジルコン、サンゴ、コンク貝、18金、プラチナ;和久譲治作品

 

現役ジュエラーとしての時間が残り少なくなった今、ジュエリーメイキングを目指す若者に、私が学び、経験してきた「ジュエリーメイキング」を見て頂きたく、このシリーズを始めます。シリーズを通して、ジュエリーメイキングとは単なるデザインや技術だけではないことを、理解して頂けたら嬉しく思います。

 まず最初に取り上げるのは、私の自己流でサンゴとコンク貝を初めて洋彫りしたブローチです。試行錯誤の結果、振動で割れやすいサンゴとコンク貝を、のびのびと、イメージのままに彫るには、洋彫りgraverが適しているのを知りました。以後、現在までgraverで彫ることを続けています。

 

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(2)着色ラフデザイン

 

デザインは、一度作りたいものが決まったら、トレースを繰り返しながら、納得するまで細部をつめていきます。「表象文化史」にこだわり始めたのは、観念を装飾的に、控えめに表現するためです。

 

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(3)宝石選び

 

配色のバランスを考えながら、宝石を選んでいきます。同じ宝石でも色のニュアンスはすべて違います。同じ色でも、宝石の硬度や組成、品質によって色のニュアンスは違います。デザイン画で色を決めることは、ジュエリーに関しては、危険です。全く違う仕上がりになります。あくまでデザイン画に宝石を並べて、配色のバランスを見たいものです。

 ちなみに、ここで使用しているサンゴは高知沖産です。この色が好きで、原木を買い取り、彫りました。赤の色味は産地によって全く違います。

 

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(4)強度計算と作り

 

表のデザインが決まったら、ジュエリーメイキングで一番重要な工程に入ります。造りは、建築と同じです。装飾とは関係なく、合理的に、シンプルに、強度や重量を考えながら、骨組みを決めていきます。写真(4)の「書き込み」でも分かるように、0.01mmにこだわる作業です。

 

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(5)骨組み、プランと仕上がり作品

 

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(6))骨組み、プランと仕上がり作品

 

宝石の台座は「ネジ付き」になっていて、サンゴやコンク貝が破損した時、修復しやすくしています。本体もネジで分解出来るようにして、メンテナンスを考えています。

このように、ジュエリーメイキングは装飾と合理性、観念と美しさなど様々な要素のバランスが大切なのです。自己の中に眠っている様々な能力を引き出せる、楽しい作業だと思います。

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