大地の恵み パンの表象(9)
フランスパン ロデヴ(Lodeve)とリール(Lille)・二つのパンの物語(1)
(29)Johan;パン・ド・ロデヴ、熟成バゲット、カンパーニュ(左より)
バゲットが本当の,長方形にカットされた宝石のような、「Baguette]なのは、古 い伝統を感じさせます。参照(25)フランスパンのルーツ、マルセイユ・Baton
これまで、人類文化の表象を読み取るべく、形態にこだわりながらフランスパンを食べてきました。その中で「Johan」のパン・ド・ロデヴを口にした時のことは、はっきり覚えています。おおらかで、やさしい小麦の食感が他のフランスパンと違ったのです。「Johan」のパン・ド・ロデヴは、フランスパンには、いろいろな「おいさ」があることを教えてくれました。
とは言っても気になり、「ロデヴ」を調べ始めました。やはり、味の違いには、古代からの歴史の違いが関わっていました。「ロデヴ」の町は、フランスの南部、マルセイユの西、モンペリエから45Kmのところにあります。「パン・ド・ロデヴ」は「パン・バイヤス」として古い製法で作られているそうですが、門外漢の私は、この町が「オック語」圏であることの方が気になります。「オック語」はイタリア・ビエモンテ州でも話されているように、カプサ文明がサルデーニャ島をへてイタリア・ビエモンテ州に伝わり、更に、地中海北沿岸に広がっていった痕跡を留めているのです。(サルデーニャ語、ピエモンテ語はイタリア語よりも、オック語やカタルーニャ語に近い特徴を持つ)この文化圏を繋ぐのは「パン」、「チーズ(水牛)」、「稲作」、「卵(卵料理)」です。「形而下の石」がもっと必要ですが、サルデーニャ島、イタリア・ビエモンテ州、ランドッグ・ルーション地方(稲作はマルセイユの西、アルルの南方湿地帯・カマルグ地方が有名)の「パン」、「チーズ(水牛)」、「稲作」、「卵(卵料理)」には文化の流れが見られます。古来、「豊饒の大地」を表象する料理には必ず使われる食材です。「形而下の石」を積み上げた先に、これらの食材は大きな意味を持ってくるはずです。
今思いつきました、なんて感の悪い頭でしょうか。ダイヤモンドのカットに「Navette cut(マーキスカット)],「Baguette cut(長方形)]の名称が使われるのは、ブルゴーニュ公国へ運ばれたダイヤモンドが、マルセイユに荷揚げされた為ではないのか?調べることにします。
(30)フランスパンのルーツ(2);和久譲治製作
(6)PAUL;チーズのパン、フルート、カンパーニュ
フランスパン ロデヴ(Lodeve)とリール(Lille)・二つのパンの物語(2)は「PAUL」のパンから始まります。