形而下の文化史

表象文化史・ジュエリー文化史・装飾文化史

 

トピックス(8)ズールーの概念と編む文化(13) ・土器の文化(3)

                                         文様の誕生(5)

                           

         平衡の王女の顕現・雨の王女、そして「雨」の概念

                             縄文土器草創期とKoros-Cris-Culture・土器文様からの変容

 

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(70)「平衡の王女の顕現・雨の王女」の変容:和久譲治メモ

 

「初めての土器文化」である縄文土器草創期とKoros-Cris-Cultureの土器文様は「雨」の表象で溢れている。「編む文化」から「土器の文化」に代わる頃、松脂で防水にした編み籠水筒は土器の水筒に変わり、「土器は水を入れるものとして生まれたのではないか?」と考えることも出来そうです。水は「雨の王女」である「平衡の王女」に繋がります。そして、「雨」は「水玉」から「玉」になり、「玉」そのものが「平衡の王女」の顕現として、住居内に置かれるようになった。「土玉」は縄文遺跡とKoros-Cris-Cultureの住居からみつかっています。そして「玉」は聖なる「形」として、さまざまなものに変容していきます。写真(70){「平衡の王女の顕現・雨の王女」の変容}を具体的に見てみましょう。

 

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(71)土玉;蓮田市黒浜貝塚 city.hasida.saitama.jp

 

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 (31)Twill-wined plant fibere water bottle useed by Shoshone.Pin'on resin makes it watertight.(松脂で防水加工された、ショショーネ族のあや織り水筒・王女の子宮型)

The Shoshone; Kim Dramer著(参照)

 

 

 

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(72)最古の土器群の土器;縄文 Rising Cloud 小林達雄

 

「先達はあらまほしきことなり」

 小林達雄氏の「縄文人の世界」を読み、本当にそう思いました。日本の縄文時代が飛躍無く、しかして、大切な「気づき」を正確に、真っすぐに向き合って理解できます。いくつもの発見を与えて頂きました。主観的な「飛躍」はお嫌いな方だと感じますが、氏の「気づき」から導かれるいくつかの「推論」を書くことをお許しください。

小林達雄氏は著作のなかで、「日本での土器作りにあたって、(中略)すでに保有していた樹皮籠や獣皮袋などの規制の容器などからヒントを得たものと考えられるのである。」として、土器で作るのが難しい、縄文草創期の「方形平底土器」を例に挙げられています。この形は、格子状に編んだ素材の四面を立ち上げ、上に編み上げると、簡単にできます。ただし土器では難しいのです。縄文草創期、先行する文化で同じ用途に使われた「形」が、土器に継続されたのは確かなようです。同じように、写真(72)の土器は、アメリカ西岸・ショショーネ族の「松脂で防水加工されたあや織り水筒」の形をしています。このことから分かるのは、先行する「編む文化」のように「土器の文化」はベーリング海峡を渡らなかったこと、そして日本にも「松脂で防水加工された、ショショーネ族のあや織り水筒」のようなものが存在していたことです。「方形平底土器」の様に、「形」が土器に継続されたのは確かなようです。

 

 小林達雄氏は次のようなことも書かれています。

「なお、草創期終末期の多縄文土器様式に、特別なモチーフが出現する。たとえば、菱形を重ねたモチーフ、あるいはラーメン用の鉢の縁をめぐる雷文の一種ににたモチーフなどがその典型である。こうしたモチーフが編籠によく編み出されている例を、容易に想起いうるであろう。北アメリカ西南部のプエブロ族は、籠作りの長い伝統を維持しながら、八世紀ごろに土器作りが伝えられると、土器に籠の文様をそのまま応用して、三角形やジグザグや階段状のモチーフを土器に描いた。縄文土器発達史第一期(イメージの時代)の文様の成立を考えるうえで、興味ある示唆をあたえてくれるであろう、」

非常に面白い指摘です。この指摘をさらに進めると、面白い事が解ります。

「菱形を重ねたモチーフ、あるいはラーメン用の鉢の縁をめぐる雷文」、「三角形やジグザグや階段状のモチーフ」

編み籠のモチーフは、単なる装飾(そんな概念はずっと新しいことです。)であるはずがありません。古代おいて人工物で形あるものは「概念」が生み出すものだと考えます。ではこれらのモチーフが表象している「概念」とは何でしょうか。写真(52)「編目のKnotsによる見え方」を用いて還元すれば、具象的な形が現れ、簡単にわかります。またその「概念」は縄文土器に描かれた「概念」、火焔型土器の様に造形された土器の意味、を解明することになります。

考えてみましょう。 つづく

 

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(52)「円環」;編目のKnotsによる見え方;TRIBAL & VILLAGE RUGS   Thames & Hudson(参照)

 

 

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(59)ズールーの概念の文様:和久譲治

 

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