形而下の文化史

表象文化史・ジュエリー文化史・装飾文化史

 

トピックス(8)ズールーの概念と貝の文化(21)

 

「イシュタアル」の表象(3)

新たな発見-雨による平衡の女神のポーズから解ること・バルカン半島(5)

鳥女神の出現 BC5,000年頃

 

バルカン半島に「鳥の神格」を持った部族が現れた頃、「Transylvanian Alps」の西、

ルーマニア西部、「Tisza river」の支流・「mures river」流域の「タルタリア(tartaria)」に異変が起こっています。「タルタリア(tartaria)」といえば、以前に紹介した「タルタリアの粘土板(実際には穴に紐を通して首に掛けました。)」(参照)が見つかったところです。「タルタリアの粘土板」が見つかった立坑からは、写真 (89)に見られるような「神像の首」そして人骨などが見つかっています。

「鳥の神格」を持った部族は、体系的な概念を構築していた北アアフリカの部族文化を破壊し、それ以前の文化状態にいる部族には、自分達の概念を共有させ、支配化に置いたようです。例えば、「Sesklo culture」は破戒されますが、「Vinca culture」,「Dimini culture」は変容して存続します。

 

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 (89)タルタリアの粘土板と折られた神像の首;BC5,300~5000年頃

  古ヨーロッパの女神

 

 それにしても、サハラ砂漠の岩絵に描かれた文化概念が、これほどまでにバルカン半島に北上していたことは注目しなければいけません。何故でしようか?

鈴木秀夫氏の「気候変化と人間」によれば、BC5,500年頃に「ハドソン湾イベント」(参照)が起こり、サハラ砂漠南縁から東アフリカにかけて厳しい乾燥が起こります。河や「チャド湖」などの湖も干上がったようです。この結果サハラ砂漠に多くの岩絵を描いていた部族は、南・北・南西に移動します。そしてちょうどこの頃、黒海大洪水によってボスポラス海峡ができます。地中海から黒海への海上ルートが生まれ、ルーマニア、モルドバ、ウクライナの広い領域に、「ズールーの概念」に沿って作られた巨大な共同体(wikipediaによれば、BC4,000~3,000年には20,000~46,000人になります。)が生まれています。「Cucuteni-Trypillan culture(BC5,500~2,750)」です。生活や慣習などが見られる遺物と「ズールーの概念」の関係を、すべて書きたいのですがきりがありません。いつかまとめられると良いのですが・・・。一目で彼らの存在が認められる「ズールーの概念」による慣習に、「周期」があります。人や物にも等しく「周期」があり、「周期」が終わった家や集落は焼かれ、再び新しい「周期」の家や集落が以前と同じ場所、方位に築かれます。(「Cucuteni-Trypillan culture」では60~80年の「周期」があるようです。)日本でも福島県の「宮畑遺跡」にみられます。(斎藤義弘著,宮畑遺跡による)

特に人間の「周期」は一つの「円環」とも考えられ、「円環」は積み重なり人類の「生命」が発展していきます。マジシ・クネーネ氏の言葉を参考にすれば「ズールーの概念」で一番大切なのは今生きている人間の「生命の発展」であり、積み重なった祖先は知恵を持つ存在として尊敬はされますが、今生きている人間を助ける役目を持っています。この意味で中国、日本の変容した「祖先崇拝」(参照)とは違いがあります。積み重なった「円環」は「円筒形」や「円錐形」で表されます。銀閣寺の「円錐形」の「砂盛り」のかたちです。「塩盛り」や「土盛り」、日本では色々に変容して今も行われています。「円筒形」は「円筒埴輪」などが思い浮かびます。写真 (89)「タルタリア(tartaria)」や写真(94)「Butmir culture」の神像も「円筒形」の首をしています。この概念を造形いたものと考えられます。

そして、サハラ砂漠からの部族の文化で、「Starcevo culture」と共に「鳥の神格」を持った部族と対峙したものの、BC4,500年頃に、「Starcevo culture」と共に文化を終らされた「Butmir culture(BC5,100~4,500年頃)」について見てみることにします。そうすれば、「鳥の神格」を持った部族についての周辺情報がほぼ揃います。大胆な仮説を整合性を持って述べることが出来ると考えます。

まずは、この(写真90)独特な衣装を着けた女神を見て下さい。(参照)

タッシリ・ナジュール(サハラ砂漠)の岩絵に描かれた「嵐の女神(足元に虹の女神)」(嵐のような激しい雨も、やがて晴れて虹が出る。このように自然界は平衡が保たれる。) の着ているものと同じです。

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(90)「Butmir culture」の女神像;BC5,100~4,500年頃

  古ヨーロッパの女神

さらに「Butmir cultureⅠ(BC5,100~4,850年頃)」の折られた首をみてみると、「negroids」であることが分かります。アドリア海から「クロアチア(Croatia)」の「Neretva river」を遡れば「ボスニアヘルツェゴビナ(Bosnia and Herzegovina)」の「Butmir culture」にはすぐに入れるのです。

 

 

 

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(91)Butmir cultureⅠ(BC5,100~4,850年頃)

   Sarajevo School of Science and  Technology

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 (92)Butmir cultureⅠ(BC5,100~4,850年頃)

   Sarajevo School of Science and  Technology

 

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 (93)「Butmir culture」pottery

   Sarajevo School of Science and  Technology

 

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(94)「Butmir culture Ⅱ」BC4,850~4,750年頃

  古ヨーロッパの女神

 

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(95)鳥女神;「Vinca culture」後期

  古ヨーロッパの女神

 

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(96)鳥女神;モルダヴィア

 

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(79)女神ポーズの強制;painted on the wall of Magurata cave (NW.Bulugaria)

          THE LANGUAGE OF THE GODDESS;Marija Gimbutas

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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