イシュタルの表象・「手」(4)
様々なhamsaの源流 モロッコのユダヤ人
「六芒星」・2
(5)Wedding Contract
jews MOROCCO; MERELL
私は大きな見落としをしていたようです。Hindu(ヒンズー教)に取り入れられたインダス文明からの遊牧民・文様(表象から考えると、インダス文明崩壊後に遊牧民になった、コーカサス地方からの部族)から、△と▽は重なり合って幾何学的な文様を形作っているとの先入観を持っていたようです。コーカサス地方の部族が移動して発達させたインダス文明は確かにその様に展開しますが、バルカン半島から西にはインダス文明以前の展開があったようです。今回,BC3,000年頃の「 ポルトガル、スペインの巨石文化(Megaliths)の遺跡と遺物」とビーカー土器(Beaker pottery)の表象を集める作業をして、「六芒星」と「八芒星」のひとかたの生まれた展開に気づきました。
新しい発見です。同時に写真 (5)のWedding Contract(結婚契約書)に描かれた表象は、BC4,000~3,000年頃のバルカン半島そしてコーカサス地方の表象と深く結びついていることに気づきました。写真(5)Wedding Contractは、BC3,000年頃のポルトガル、スペイン表象の伝統を守った、貴重な資料だと気づきました。「モロッコのユダヤ人」と言う表現も、当時の共同体にはふさわしくないことを示す表象も含まれています。(写真22,後程説明)
まずは「六芒星」の展開を見ていきます。写真 (13)と写真 (26),(6)を見比べて下さい。
そして、考慮すべきは前章写真(12)から(21)に現れる表象です。
(26)Wedding Contract(結婚契約書)拡大
jews MOROCCO; MERELL
(13)La di cultura Ozieri BC3,200~2,800
(6)Amulet for a newborn son
jews MOROCCO; MERELL
(22) vases from 1.Serbia,2.Romania
Bronze Age cremation cemeteries of the Danube
前章写真(12)から(21)に現れる表象
写真(12)、(14)は△(女神)、・(雨)、V(平衡)
写真(18)は🔶(雨)、V(平衡)
写真(20)は☼(太陽)、🔶(雨)、二体(平衡)(雨と太陽による平衡の女神)
写真(15),(16), (17), (19)は☼(太陽)、・✋複数垂線に横棒(雨)、開いた手と二つ の三角女神 (雨と太陽による平衡の女神)
太陽はコーカサス地方の表象です。「火と雨による平衡」はサルデーニャ島で「雨と太陽による平衡」に変容した事が解ります。この後、「半分の太陽と雨」の表象は、アメリカ大陸を含めた世界に広がります。水の上に立ち、太陽の王冠をした「自由の女神」は「火」も掲げており、「火」と「雨(水)」、「太陽」すべてを持った女神になっています。
🔶(雨)については、写真(23)、(24),(25)を見て下さい。マグダレニアン期に生まれた表象です。このままつづく