形而下の文化史

表象文化史・ジュエリー文化史・装飾文化史

 

50年代のジュエリー・アクセサリー

ジュエリー・アクセサリーの歴史を振り返る時、50年代は常に輝かしい時代として取り上げられます。何故でしょう。この華やかだった時代の本質を考えることは今のジュエリー・アクセサリーにとっても大切なことだと考えます。
50年代のジュエリー・アクセサリーの際立った特徴は色石を使った豊かな色彩、ファッションに合わせたボリュームと着用性にあります。
この時代、ジュエリー・アクセサリーの広告には、流行のファッションにジュエリー・アクセサリーをコーディネイトした全身大の女性が使われ始めます。
豊かな色彩と女性とファッション。今日では当たり前の事が、社会の表舞台の文化として初めて現れました。
第一次大戦(1914~1918)後に始まり第二次大戦(1939~1945)後に大きく進んだ「女性の社会進出」。このことはファッションの歴史と重なります。ジュエリー・アクセサりーにおいても女性の価値観か反映されてゆきます。与えられる時代から、自分で選ぶ時代へ、女性が文化を作ってゆきます。
ファッションに合わせたボリュームと着用性、そして何より、豊かに表現される色彩は女性の価値観の現れです。
50年代のジュエリー・アクセサリーの本質は「女性のライフスタイル、ファッション、豊かな色彩の文化」といえます。
      2010.4.23   日本橋三越本店 逸品会 コスチュームブラントのための企画案より 和久譲治

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