形而下の文化史

表象文化史・ジュエリー文化史・装飾文化史

 

黄金伝説展 古代地中海世界の秘宝(10)       国立西洋美術館

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(21)Relief fresco;Island of Peseira,north of CreteBC2,000年期中庸

Pennsylvania University Museum;Prehistoric textile by E.J.W.barber

(展示品ではありません)

 

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(22)Stele Grave Circle A;BC1500年

National Archaeological Mueum(Ethniko Archeologiko Museo) Photo.

(展示品ではありません)

 

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(20)ミノア文明、ミケーネ文明、石刃(石包丁)・形而下の石スケッチ(和久譲治)

 

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(17)金製イヤリング;エレトリア、エヴィア島、ギリシャ(BC475年~BC450年)

 

「形而下の石スケッチ」(A)列の最初と最後を写真で確認してください。また、このスケッチの表象はすべてこのように確認できます。「羽子板、扇が導いたこと(12)]で説明した、旧石器時代に石刃(石包丁)から生まれた「Chevron(Cheveron仏古語)」と「Me'andre(Meander・英)」の表象は「石刃由来の大地」を守る「蛇」の表象「渦巻」を地中海からヨーロッパに至るまで広く伝播させます。BC5,500年~BC5,600年頃起こった「黒海・大洪水」での「方舟」体験から生まれた「大地」を表す「四角」の表象は西アジアに広がり、「四角文様」は連続紋となり、さらに複雑な幾何学紋としてイスラム世界に引き継がれていきます。一方、すでに「大地と蛇」の円文様が発達していたミノア文明を中心とした地中海世界は「四角の大地表象」を円文様と融合させていきます。又は、「羽子板、扇が導いたこと(12)]写真(15)の様に、同じ表象を円文様と四角文様で表しました。そしてこの表象は(A)列が一例を示すように、ミノア文明からミケーネ文明を通じて多くの変容形を生んでいきます。(22)Stele Grave Circle Aに現れた二つの「渦巻文様」に、石刃(石包丁)から「鉄ナイフ」に進化して丸みがついた「石刃由来の大地表象」が加わり、さらに、(B)群「生命の樹」が「大地」の真ん中に表され「豊饒の大地」は完成しています。

一番外の「連珠文」加工は薄い金板をパイプ状に丸め、等間隔に絞って作っています。地中海文化圏で生まれ、ローマ時代にも用いられた金属加工技術です。渦巻の下にある、三つの小さい玉は粒金細工(granulation)です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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