形而下の文化史

表象文化史・ジュエリー文化史・装飾文化史

 

フランスパン; ロデヴ(Lodeve)とリール(Lille)・二つのパンの物語(12)

 

フランスパンを作った 文化要因  表象表現

ガーネット象嵌(cloisonne  de grenats)・8  

 サルマタイ  スキタイ  サカ パルティア

  ハート表象

 

五つの突起をもつアキナケス剣の一種の宝剣には、写真(66・写真58の裏面)、写真(57)のようにハート形の宝石が伴います。また写真(66・写真58の裏面)と同じサカ族の首長のものだと考えられる、アフガニスタン、ティリヤ・テベ(Tillya tepe)遺跡からアキナケス剣と同じ様に見つかった装身具には、写真(48)・(49)の様にハート形の宝石が多く使われています。まるで「ハート形」はイラン語系遊牧民・サカ、サルマタイ、パルティアの民族表象のように扱われているのです。「形而下の文化史」として言えるのは、「ハート形」(同じくペイズリー形)がイラン語系遊牧民・サカ、サルマタイ、パルティアと深く「表象」として結びついている事実。また五つの突起をもつアキナケス剣の一種の宝剣がみつかったのは、アルタイ、黒海東北岸のウクライナ・ロストフ州、そしてグルジュア(ジョージア)だということ。そして、石のレリーフに表されたのは、アルサメイヤ(アフガニスタン・コンマゲネ王国)、パルミラであることです。ただこれだけでは、情報がバラバラで両者の関係がよく分かりません。クロビスのフランク王国に繋がる「ハート形」、フランドル地方の菓子「パルミエ」に繋がる「ハート形」について、「形而下の文化史」を逸脱しますが、、私の妄想として以下の推論を御読み下さい。

 

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 (66)金製短剣柄、金、トルコ石、1世紀第二四半期;アフガニスタン、ティリヤ・テベ4号墓:黄金のアフガニスタン図録

 

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(57)金製柄の短剣と装飾鞘(poignard dans son fourreau);金、ガーネット、カーネリアン、トルコ石・1世紀最終四半期;ウクライナ、ロストフ州、ダーチ墓地一号墳:L'OR des amazones,PARIS musees

 

 

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(48)帯状装身具; 金、トルコ石、一世紀第二四半期:アフガニスタン、ティリヤ・テベ(Tillya tepe)遺跡:黄金のアフガニスタン展図録

 

 

 

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(49)垂飾付帯状装身具; 金、トルコ石、一世紀第二四半期:アフガニスタン、ティリヤ・テベ(Tillya tepe)遺跡:黄金のアフガニスタン展図録

 

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(67)アルタイ、ウランドリク Ⅲ墓地一号墳、:アルサメイア短剣描きおこし図

  木製鞘と青銅製短剣、BC5~4世紀     コンマゲネ王国(BC162~AD17年)

  南ロシア騎馬民族の遺宝展図録 朝日新聞社

 

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 (68)グルジュア(ジージア)、アルマジスヘヴィ(ムツヘタ)出土金製鞘 1~2世紀

 

 つづく

 

 

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