形而下の文化史

表象文化史・ジュエリー文化史・装飾文化史

 

トピックス(7) 文化服装学院 ファッション工芸科・文化史授業 ノート

 

 七宝つなぎ・Interlocking circlesの謎

 

「古くから伝わる知恵の秘密は、物の名前とその忘れられた意味の中にある。」

ズールー口承の語り部・ントゥリ家マクァンデヤーナ(マジシ・クネーネの曾祖母)
 

この言葉は「形而下の文化史」の理念の一面を表しています。この意味を理解してもらいたくて、文化史の最後の課題に「七宝つなぎ・Interlocking circles」を取り上げました。世界の紀元前の表象を、体系的に学習している生徒達は、私も気付かなかった表象を含め、「宝」を数多く(七つ以上)見付けました。そして驚くことに、見つかった表象と「七宝つなぎ・Interlocking circles」の成立過程は、紀元前5,000年頃に起こった二つの文化の融合と伝播を解り易くみせていたのです。

今、書いている{「ハートの表象が語ること」・コーカサス(Caucasasu)とミノア文明(Minoan Civilization)を繋ぐもの・Sesklo文化ーDanubian文化ーCucuteni-Trypilian文化}において、バルカン半島を北上する文化の土器や神像に文様が描かれ、彫られ始めるのはDanubian文化の一つ「Hamangia culture]からになります。ズールー哲学が文様として表され始めることの要因を「七宝つなぎ・Interlocking circles」は説明します。

そして、違う文化の「文様」を「ズールーの文様」としていく過程は、これからの「ハートの表象が語ること」で見られると思います。

皆さんもいかがでしょうか?写真(1)「七宝つなぎ・Interlocking circles」の中から取り出され、生まれてきた、紀元前の表象・文様を幾つ見つけられますか?そのほとんどは、日本でも主要な文様になっているものです。

 

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(1)七宝つなぎ・Interlocking circles

 

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(2)鳥襷(とりだすき);七宝の形になるように花菱と尾長鳥で構成

 日本・中国の文様辞典 ;視覚デザイン研究所

大地の表象、丸と四角の組合せ文様が、北アフリカ・ズールーの哲学(成長を通して物事は活発になり、次第に発展して周期となり、もっとも小さい統一体から、もっとも大きな集合体へ積み上げられる。)を受容して、西アジアで連続文様「七宝つなぎ・Interlocking circles」が生まれた。具象デザインには、コーカサス地方の影響が見られ「豊饒の鳥妖精と花」が組み合わされている。さらに、鳥が二羽になったり、花の形も変容を続け、この文様が出来上がります。古代日本の遺族に好まれた文様です。

 

 後程取り出した文様を描きます・

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