家紋〔イシュタル」の表象(3)
新たな発見-雨による平衡の女神のポーズから解ること・バルカン半島(2)
(34)Hungary(ハンガリー)土器文様;BC5,000年頃
THE LANGUAGE OF THE GODDESS;Marija Gimbutas
BC5,600年頃に「黒海大洪水」が起こります。淡水だった黒海は海水となり、「ボスボラス海峡」ができました。海水で繋がった「海の道」から、地中海・海洋民は黒海そしてドナウ川(Danube river)へ船を乗り入れます。そしてそれは、「DunantulVonaldisKeramia(Transdanubian Liner Pottery)」の初期の土器がハンガリー西部に現れた時期に重なります。(この土器の伝播はBC5,200年頃、オランダにまで至っています。)写真(34)の「平衡の女神」はこの出来事を物語っています。
「上部マグダレニアン文化」内陸路の「雨」、「平衡」の表象と、地中海・海洋民の女神表象「▽+▽」が組み合わされています。南仏を出た二つの伝播経路の表象は、それぞれに独自の展開をして、再びハンガリー西部で出会っているのです。この初期の時期には「両腕」が「Cheveron・V」になっていて、写真(82)の地中海(イタリア)に残っていた表象とまだ変わっていないことに留意してください。
この出会いがきっかけとなって、ドナウ川を遡りオーストリアやドイツ南部に「Transdanubian Liner Pottery Culture」は広がっていきます。周辺地域には「ソリュート・マグダレニアン文化期以前にアフリカを出た新人が住む地域が、まだら模様の様にあり、それぞれの土器文化を発達させていきます。この意味で「Liner Pottery Culture」とひとくくりにすることは、危険な表現だと思っています。
「ソリュートレ(参照)・マグダレニアン文化期」に北アフリカをジブラルタル海峡からヨーロッパに渡った新人は遺伝子「Y・haplogroup H2]を持っていましたから、現在でも「Y・haplogroup H2]はイベリア半島とハンガリー、セルビア、ブルガリアに強く現れています。もちろん北アフリカからレバント地方を通ってインド、南アジアも大きな新人の道ですから、インド、南アジアにも「Y・haplogroup H2]は強く現れます。日本でも関東から北海道の太平洋沿岸には現れるのではないでしょうか。
この様に考えると地中海海洋民の表象「▽+▽」はハンガリー、セルビア、ブルガリアのドナウ川流域とルーマニア、ウクライナなどの黒海沿岸にこの時期(BC5,600年頃)に広く伝播したものと考えられます。つづく
(82)Daunian culture,se Italy;6th~5th cents BC
The Language of GODDESS
(83)Late Cucuteni culture,w Ukraina ;c 3,800~3,600BC
The Language of GODDESS
(79)Vinca culture,nw Bulgaria,painted on the wall of Magurata cave (NW.Bulugaria)
chronology unknown
THE LANGUAGE OF THE GODDESS;Marija Gimbutas
(女神ポーズの強制)