形而下の文化史

表象文化史・ジュエリー文化史・装飾文化史

 

トピックス(8)ズールーの概念と貝の文化(22)

 

「イシュタル」の表象(3)

新たな発見-雨による平衡の女神のポーズから解ること・バルカン半島(6)

鳥女神の出現 BC5,000年頃

 

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(90)「Butmir culture」の女神像;BC5,100~4,500年頃

  古ヨーロッパの女神

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(104)タッシリ・ナジュール(サハラ砂漠)の岩絵複製画

  女神の心 ハリー・オースティン・イーグルハート

 (この岩絵には新しい解釈が見つかりました。もうすぐ参照します、。)

 

サハラ砂漠からの部族の文化で、「Starcevo culture」と共に「鳥の神格」を持った部族と対峙したものの、BC4,500年頃に、「Starcevo culture」と共に文化を終らされた「Butmir culture(BC5,100~4,500年頃)」について見てみることにします。そうすれば、「鳥の神格」を持った部族についての周辺情報がほぼ揃います。大胆な仮説を整合性を持って述べることが出来ると考えます。

まずは、この(写真90)独特な衣装を着けた女神を見て下さい。(参照)

タッシリ・ナジュール(サハラ砂漠)の岩絵に描かれた「嵐の女神(足元に虹の女神)」(嵐のような激しい雨も、やがて晴れて虹が出る。このように自然界は平衡が保たれる。) の着ているものと同じです。エプロンのような着衣は両者とも「雨の表象(点線と点々)」です。それと、「Sesklo culture」の神像にも見られたように「椅子に座った神像」はサハラ砂漠から持たれされた様式であると考えられます。「ズールーの概念」では、神は人と同じ姿をしています。グレー(ブラック)の色彩も、土器と同じ色だけではなく、彼らに似せた具体的な表現だと思います。彼らは概念は具象物や目に見える自然現象に宿り、具象物や目に見える自然現象から概念は生まれると考えるからです。神の存在を確認するためには、リアルな神像が必要なのです。

 

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(91)Butmir cultureⅠ(BC5,100~4,850年頃)

   Sarajevo School of Science and  Technology

 

さらに「Butmir cultureⅠ(BC5,100~4,850年頃)」の折られた首をみてみると、「negroids」であることが分かります。アドリア海から「クロアチア(Croatia)」の「Neretva river」を遡れば「ボスニアヘルツェゴビナ(Bosnia and Herzegovina)」の「Butmir culture」にはすぐに入れるのです。

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 (92)Butmir cultureⅠ(BC5,100~4,850年頃)

   Sarajevo School of Science and  Technology

 

さらに彼らの土器文様を見てみると、「雲(沸き立つ雲が多い)」と「雨」だけであることが分かります。(参照)「マグダレニアン期」初期だけの表象で、「平衡」や「手」更には地中海海洋民の「二枚貝」の表象も見当たりません。サハラ砂漠の部族は「マグダレニアン期」初期に、ジブラルタル海峡から出アフリカをしたルートを逆にもたらされた「雲」と「雨」の表象を、特徴のある文様に発展させていたのです。「ズールー族の編み籠文様」も基本的に「雲」と「雨」の表象から成り立っています。日本の縄文土器(火焔土器・水煙土器)と同じ「沸き立つ雲」の表象です。(火焔土器・水煙土器は上部が沸き立つ雲、下部が雨の造形になっています。)また土器表象から見ると、当時のクレタ島などにもサハラ砂漠からの部族が移動していたと考えられます。

 

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 (93)「Butmir culture」pottery

   Sarajevo School of Science and  Technology

 

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「Butmir culture」pottery:wikipedia

 

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)「Butmir culture」pottery:ZEMALJSKI MUZEJ

 

「Butmir culture Ⅱ」BC4,850~4,750年頃、すなわち「鳥の神格」を持った部族がドナウ川河口から下流に現れ、しばらくたった頃、神像の頭部表現が写真(94)のように変化します。その理由は・・

 

 

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(94)「Butmir culture Ⅱ」BC4,850~4,750年頃

  古ヨーロッパの女神

 

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(95)鳥女神;「Vinca culture」後期

  古ヨーロッパの女神

 

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(96)鳥女神;モルダヴィア

 

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(79)女神ポーズの強制;painted on the wall of Magurata cave (NW.Bulugaria)

          THE LANGUAGE OF THE GODDESS;Marija Gimbutas

 

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