形而下の文化史

表象文化史・ジュエリー文化史・装飾文化史

 

トピックス(9)「イシュタル」の表象(3-5)

 

イシュタルの表象・「手」(5)

様々なhamsaの源流 モロッコのユダヤ人

「六芒星」・3 「六芒星」は「雨の女神の花」として誕生した!

 

平成30年3月24日  NHKの「日本人のお名前」で今回の内容に関連した長野県の苗字「花見」について放送しました。「ケミ」と読み「水が豊富で湿潤な所」をさすそうです。千葉県には「「花見川(けみがわ)」や「花見(けみ)」という地名もあります。なぜ「花」が「水」なのでしょうか?以下を読み考えて下さい。本当に日本は面白い国です。世界の古代世界がそのまま保存されているのですから。また、長野県の「花見」は「野ブドウ」が自生する所だったと思います。以下の写真にも「野ブドウ」が描かれています。このことはこれから説明する「花」でした。そういえば、「野ブドウ」の「懸魚(けぎょ)」がある神社も千葉県でした。(参照‣2016年の記事です。訂正したいところもあります。)

 あと、「花見(けみ)」は福島、宮城にも地名があるようです。千葉、福島、宮城、長野・・・共通の縄文土器、土偶が浮かんできます。もっと調べていきます。

 

 

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(23)rain goddess;Mesolithic(15,ooo年前に始まる石器時代中期)antler axes(

シカの枝角)、Denmark

     The Language of the GODDESS

 

一連の写真の流を見ていきましょう。まず写真(13)では、「・(雨)」の表象を中心に「▲(女神)」6個が取り巻きます。「前章写真(12)から(21)に現れる表象」(参照)で必ず見られた組み合わせです。ただ違うのは、「▲(女神)」が星型に並んでいる事です。「星型」にも必ず意味があるはずです。

そのことは、写真(26)に現れます。

 写真(26)ではそれが「六弁の花」になり、それぞれの花びらに「▲(女神)」が現れています。

 

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(13)La di cultura Ozieri BC3,200~2,800(拡大)

 

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26)Wedding Contract(結婚契約書)拡大

 jews MOROCCO; MERELL

 

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(26)Wedding Contract(結婚契約書)拡大;雨・●が伴う六弁の花

 

 jews MOROCCO; MERELL

 

写真(6)では「六弁の花びら」が「△」の内側に折り返されているのが分かります。この「六芒星」には「花の概念」が宿っている表現でしょう。この展開において、「花」が「六芒星」誕生の「きっかけ」になっている事が解ります

 

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(6)Amulet for a newborn son(拡大)

jews MOROCCO; MERELL

 

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 (6)Amulet for a newborn son(拡大):花と雨の女神の手

 jews MOROCCO; MERELL

 

これらから導かれるのは、六弁(六角形)の「雨の女神の花」です。「花の概念」は「▲(女神)」と組み合わされましたが、この展開から、最もシンプル・リアルなこの花の表現は写真(13)だと想像がつきます。そこで閃いたのは「雪の結晶」です。日本にも「六(むつ)の花」という言葉が古くからあります。この花の概念が伝播しています。そして、「六(むつ)の花」とは「雪の結晶」を言います。「雪」と「雨」、後に「六芒星」に変容していった「六弁・雨の女神の花」とは「雪の結晶」だったのです。「Megaliths culture(巨石文化)」がアイルランドで発達し、大西洋沿岸を南下したことを考えると、アイルランド(北欧)で「雨の女神」と、水に戻る「雪の結晶」が結びついたと考えるのが自然でしょう。

 

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(23)雪の結晶;Wikipedia

 

この様に理解すると、写真 (4)に「六弁の花」と対になって現れる「四弁の花」の意味も簡単にわかります。

 

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 (4)Wedding Contract(拡大)

 jews MOROCCO; MERELL

 

2,500年以上後に、仏教に取り入れられた「四弁の花」は「四華(しけ)」 と言い、「めでたいしるしとして、天から降る花」を意味します。やはり、「四弁の花」は「六弁の花」と同じように天から降るものでした。天から降る「四角形」とは何でしょうか。答えはマグダレニアン期の骨に掘られた遺物にあります。

 

写真(23)「雨の女神」の頭部は「◇」 をしており、「◇」は繋がり「降る雨」を表しています。何故、「◇」が「雨」の表象なのか。やはり答えは、北欧の自然が関係していると思います。私の職業においても北欧では、光り輝くダイヤモンドのことを「rain diamond」と呼んだりします。ダイヤモンドの輝きは「rain of diamonds」です。「一日に四季がある」と言われるブリテン島では、次のような表現が文章によく現れます。

 

「 The drops of water sparkled in the afternoon sun like diamond]」

 The Brilliant Career of sajur golu,and Other Tailes of Azara

 

 「Out of the brilliant sunshine a shower was spurting,like diamonds set in gold」

  Williamson Ultimate Collection 30+ Mystery

 

「When the bright sunshinehits the falling raindrops,It turns them brilliant diamonds」

 Wwat Happened to Charlie?

 

今でも、「雨」とダイヤモンドは結びついています。「天気雨」の輝きは私も経験しています。そして、一万年以前の人々が「天気雨」の輝きを「🔶」で表現したことに、感性の連続性を感じ、表象が言葉の無い時代の概念を映すことを確信しました。それと、「雪」、「雨」を「雨の女神の花」と結びつけた感性に人類の進化を感じました。  そしてこの「🔶」はバルカン半島にも伝播します。

トランプの🔶を「ダイヤ」と呼ぶのもこの「ダイヤモンドのように輝く雨」によるものと考えられます。

 

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(24)Bone goddes Romania BC8,000年頃

 

「🔶(雨)」、「V(平衡)」で体が「女神」になっています。

 

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(25)Butmir culture,Bosnia BC4,900~4,700年頃

 

「🔶(雨)」、「▲(女神)」、 「ギザギザ線(平衡)」です。

そして、バルカン半島で「🔶(雨)」は「四角」、「市松模様」に変容しながらアナトリア、コーカサス地方(アルメニア、北西イランを含む)に伝播します。さらにそこから「インダス文明の地、パキスタン、北西インドに現れます。

 

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 (21)Portuguese megalithic tombs of the tholos stone plaques

 

写真 (21)はバルカン半島で結びついた「🔶(雨)」、「▲(女神)」、 「ギザギザ線(平衡)」に、アイルランドで発達した「雨」、「太陽」、「虹」を伴って、ポルトガルに「Megaliths culture」と共に現れた表象です。下の方には、「翼を持った雨」の表象が現れています。「イシュタル」ですね。よく言われる「太陽円盤」に変容するのは、数千年後になります。

「虹」は「雨」と「太陽」の「平衡の表象」として、「良い表れ」とされる。日本  では、神社の「太鼓橋」として現れる。

 

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(26)雪の結晶(雨の女神の花?)のロンドン・ヒースロー空港

 

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